平成11年6月議会一般質問(30分間) 
 
私は最近の人物で最も尊敬できる人物と感じたのは、森永ヒ素ミルク中毒事件、豊田商事事件、香川県豊島の産業廃棄物問題の弁護、住専処理機構の社長も務めた、弁護士の中坊公平さんです。この人の一言一言に説得力があります。 特に私が印象に残ったのは「理念先行」という言葉です。これは、何かに取り組むには、まず確固たる「理念」が必要であり、まずそれを掲げ、実現させるために目標を定め、計画を立て、実行していくというものであります。先日加戸知事や伊藤市長も出席された青年会議所の講演会でも若者の志ということが強調されていました。人々の考えや行動が多様化している現在こそ、理念や志が大切だと感じています。今回の質問はそのことを念頭において行います。
 
1.第4次長期総合計画について
 第四次長期総合計画策定も今年度から具体的な取り組みに入ります。第三次の計画については、従来から「概ね順調に推移してきた」というのが、市長の一貫した答弁でありました。計画通りにいかなかったところは、社会経済情勢の変化が原因であり、仕方がない事だというようにも受け取れます。ここで責任論を論じるつもりはありません。責任論でいえば、計画を承認した我々議会にもある訳です。それだけに、今まで以上にこの計画に責任をもたなければならないと考えています。
 さて先頃市民意識調査がまとまりました。その詳しい分析はまだこれからの所があるにしても、この調査結果をどう計画に取り入れるのか、活かしていくのか基本的認識をまずうかがいます。この結果はある意味で予想された結果でもあるし、また新しい発見もあります。行政にとって都合の良い所だけを取りいれるという事にならないのか、市民意識調査をしたという結果だけが欲しかったとは思いたくないのでお聞きします。
 次に諸計画との連携という事についてです。都市計画マスタープランや、中心市街地活性化、港湾計画などの計画策定が目白押しです。一言でこれらと連携、整合性と言われても計画の後先、上位下位の関係がよくわかりません。
分かりやすくご説明下さい。
 
 
2.人権教育のための国連10年について
 21世紀は人権の世紀と言われています。これはまだ本当に人権問題が解決していないことの裏返しでもあります。高齢者介護、部落差別、障害者差別、女性問題、児童虐待、全ての事が人権問題であり、人権教育が必要になってきます。1995年から始まった国連10年ですが、県もやっと先頃推進本部を発足させて、新しい取り組みを始めようとしています。私は、新居浜の中でも、障害者差別、児童虐待、同和問題への無理解などの事例を実際にみてきました。新居浜市の人権問題、人権教育への取り組みを改めてお伺い致します。また3年前から新居浜市の同対協問題について取り上げてきました。これは単に内部のもめ事という事ではなく、行政、教育、団体が一体となった同和行政が必要だという考え方によるものです。だから解決しようとしないのは、同和問題、人権問題に対する意識が低いのではないかと申し上げたいからです。加戸知事が愛媛県同和対策協議会の会長に就任されました。これをきっかけに今年度こそ新しい展開は期待出来るのでしょうか。お伺いいたします。
(2)社会保障制度の構造改革
 平成7年、社会保障体制の再構築、安心して暮らせる21世紀の社会を目指して、とうたった社会保障制度審議会の勧告がなされました。これは、人口構造の変化、低経済成長時代など、社会・経済構造の変化が急速に展開し、進行する中で年金・医療・福祉などの社会保障制度の抜本的見直しを行い、制度を再構築するという内容です。基本的には、5つの方向が示されています。つまり、自立と社会連帯、国民の不安解消、措置から契約という利用者の選択拡大、年金、医療と福祉のなどの制度の一元化、保健・医療・福祉の分野の国際貢献です。勧告の最後は「国民自身も合意形成過程に積極的に参加し、意見を述べる機会を与えられなければならず、その判断が出来るように、組織、給付の内容、手続き、将来の負担など各種の情報が十分に提供できるような公開体制が必要である」と、結んでいます。この勧告に基づいてその後の児童福祉法の改正、介護保険制度の創設、さらに社会福祉の基礎構造改革へと続いていきます。これは社会保障制度の理念の変化というべきものです。行政に対しても、発想の転換を迫っています。これらの変化を理解し、どう受けとめられているでしょうか。基本的な問題、理念の問題ですのでまずお伺いいたします。
(3)介護保険
 介護保険については、来年4月に迫りながら、まだ混乱をしています。保険料と利用料という負担の問題、認定作業の公平さと情報開示、施設・人の量的、質的充足、介護保険以外の保健福祉行政など、問題が山積しています。これまでも質問をしてきました。数字的な問題は別にして、現時点で最も大切なことは市民に対して情報を提供する、お知らせをするということだと思います。
 昨年以来個人的にももずいぶん介護保険について話をしてきました。本当にご存じない方がたくさんいます。このままいくといざ始まってみて制度に納得できない、あるいは知らないために損をする、そんな状況が生まれてくる心配をしています。今まで以上の広報活動を望みます。特に9月の敬老会の時はたくさんの高齢の方がお集まりになります。そのような時に介護保険のご説明をするべきではないでしょうか。いかがですか。
 次に、医師、医療機関との関係についてお聞きします。ある人は介護保険は医療保険の一部だという人もいらっしゃいます。これまで社会福祉法人などに対しては、補助金などもだしている、働いている人も知っている、付き合いもあるということでしたが、医師や医療機関に対してはどうでしょうか。遠慮があったり、コミュニケーションが不足していたりしないでしょうか。最近療養型病床群が一気に増えたことなどをみても、医療は市行政の手の届かないところ、という感じがしています。いかがでしょうか。
 次に、不服申し立て機関としての公的オンブズマン制度の導入について伺います。サービス利用者の苦情を公平に調整するためには、独立した第三者機関が必要です。枚方市では来年4月から、福祉オンブスパーソン制度を発足させます。介護保険で言えばサービスは個人と民間の契約行為であり、オンブズマン制度で全てがカバーできるわけではありません。そのあたりは指定基準にあっているかどうかを行政が調査する事になると思います。介護保険だけに限らず福祉施設内、在宅で人権を守り、よりよい福祉サービスを保障するためには必要だと思います。
 最後に大島の問題について伺います。先程、離島や過疎地において、ヘルパー資格を持つ人が介護保険で、自分の家族を介護することを認めてもどうかという考えが示されました。これについては、介護従事者の間では反対の意見が多数です。社会的介護という介護保険の精神に反するし、実質的な現金給付もおかしいという考えです。しかしこの報道に敏感に反応するところに現状の意識が見えます。お聞きしたいのは新居浜の大島はどうなりますか、過疎地の扱いになるのですか。
 
(4)障害者福祉
 社会福祉事業法等一部改正法案の大綱を読むと、個人の自立と措置から契約へ、質の高いサービス、総合的な地域福祉の充実という事を骨子とする、改正がなされようとしています。分かりやすく言うと、障害者福祉も介護保険型へ移行しようとしています。今からそのことを意識していただきたいと思っています。私は障害あっても高齢になっても安心して暮らせる社会、支え合ってくらせる社会を望んでいます。先天性四肢切断、生まれつき手足がないという障害をもって生まれた乙武洋匡(おとたけひろただ)さんの五体不満足という本が評判になっています。彼の努力は賞賛に値します。しかし乙武さん自身が、そうおっしゃっているように障害というのは身体的特徴であり、車椅子という道具、道路や建物の整備、周りの理解と協力があれば、多くの事が出来る可能性があります。一人ひとりの能力や努力、得意不得意が違う、家族の協力が有あるとか無いとかいうのは、障害に関係なく誰にでもある問題です。誰もが社会の一員として当たり前の生活をしていく権利を持っている。それは障害のあるなしや、種類程度には関係ないというのが基本理念です。必要なのは自立した生活を送り、仕事につくためにはどんなサービスやアドバイスがどの程度必要なのかという、支援の量と質です。それらを明らかにするのが障害者福祉基本計画だと思っています。様々な法の改正もされようとしています。21世紀型障害者基本計画の策定を望みますが、いかがでしょうか。
 具体的に障害者の雇用、就労対策について伺います。障害者施策の目的は障害があっても共に働ける社会づくりだと思っています。先頃は障害者だというだけで様々な職業選択の自由を制限されていた法律の改正を訴えた100万人署名運動も行われ、ようやく改正の方向に向かっているようです。そのような中、役所の雇用状況はいかがでしょうか。就労支援のための手話通訳派遣制度の拡大、職業安定所との連携、作業所に対する支援拡大についてお聞きします。
3.少子化問題について
 少子化対策とは何をすることなのかよくわからない所があります。いろいろ言われますが、子どもを生む生まないは個人の問題、選択の自由ではないかという気持ちを持っています。土地利用、食料供給、環境に与える影響を考えると、総人口が減ることは悪いことだけではなく、世界レベルでは人口爆発の方が問題になっています。少子化を問題視するのは先進国のエゴだとも言われています。しかし、一方このままでは、年金制度など社会保障制度の崩壊、労働力不足、消費縮小へという衰退の道をたどります。また教育にも大きな影響を与えます、1994年に186万人いた18歳人口は2010年には120万人に激減します。現在の定員だと大学の合格率90%時代がきます。
 昨年の特殊出生率は1.38にまで低下しました。この原因は高学歴化、晩婚化、未婚者の増加によります。夫婦が生む子どもの数自体はここ20年間2人で変わっていません。結婚しない、結婚が遅くなったのが原因です。また個人に給付する育児手当などの政策は、出生数の増加には影響しないことはヨーロッパ諸国の例や、日本の一部の自治体の例からもみられます。また女性が働くから出生率が低いと言われていますが、女性の就業率が高いほど、出生率は高くなっています。国会に託児所があるスエーデンは41%が女性議員です。このように少子化問題は子育てを社会的に行うという事を我々みんなが合意し、そのような政策がとられた時に初めて増加に向かうのではないかと思うようになりました。少子化対策少子化問題と枕詞のように使うのではなく、行政が考える少子化問題とは、少子化対策とは何かを、改めて教えていただきたいと思います。
 
4.情報公開時代への行政運営について
 否応なくこれからは公開時代です。行政改革に関する市民意識調査にも、職員の意識改革と行政情報の公開という意見が最も多くありました。市民参加の促進の前提条件は情報公開です。行革大綱にも盛り込まれていますが、具体的取り組みを急いで欲しいという気持ちから伺います。
 
 
(1)職員の人事問題
 一つは他の仕事をしていた人の中途採用枠を作れないかということです。
市役所は同じ世界しか知らない約950人の同質的な組織を形成しています。これ自体が異様な事だと感じています。いかがでしょうか。
 次は、採用試験の透明性をより増すためにも、本人からの申告による点数開示はするべきではないでしょうか。八女市では受験者が希望すれば成績を伝えるのに加え、受験者全員の得点と順位を指名や受験番号を伏せて、一定期間閲覧しています。野田市長は新聞のインタビューで「採用試験の透明性を高めることで、市役所には縁故採用があるのではという市民の疑惑を一掃し、好奇心旺盛で積極的な人材を採用したい」と答えています。松山市でも本年度の試験から希望する受験者に、点数、順位を通知することを始めるようです、本市での導入は無理なのでしょうかお聞きします。
 次に、昨年はくすの木園問題に関して何度か質問を行い、この中で福祉施設に対する偏見あるいは、誤解が役所の中にあるのではと申し上げました。官民を問わず福祉施設で全職員が実地研修するなどの取り組みが必要だと考えます。また介護保険の仕組みなど、およそ市職員であれば基本はみんなが知っていなければならない事への学習が足りないと感じます。職員の一言一言が世論を作っていきます。市民に対する出前講座もよいのですが、もっと足元を固められたらいかがでしょうか。
 次に、職員の昇任昇格も横で見ていると何が基準かよくわかりません。部長職も増えたり減ったり、同じ職で部長待遇だったり、そうでなかったりと、理念無き職員人事に見えます。また先の研修でも触れたように昇任試験が必要ではないでしょうか。お伺いいたします。 
 
(2)入札・契約問題
 まず、昨年度の入札予定価格に対する落札率、落札総額、入札減少金はいくらだったでしょうか。入札結果の事後公表の結果を閲覧しておりますと、低入札での落札もみられますが、これらの実態はいかがだったでしょうか。さらに2回目以上の入札の場合、100%同じ業者が落札しているようにみられました、この実態についてもお示し下さい。さらに、公共工事コスト縮減と新聞報道もありましたが、これからの施策の中で、すぐ実施するもの、検討するものに分けてお示し下さい。
 
(3)行政情報の共有と活用  
 庁内情報化の目的はこれにつきると思います。下水道、道路、資産税などで、地図情報が使われていますが、これらの一元化データーの共有は出来ないものでしょうか。またインターネットを活用すれば、情報が素早く手に入り、仕事のスピードアップにもつながると実感しています。また愛媛県のホームページでは知事の記者会見でのやりとりがそのまま読むことができます、私が今回質問している国の審議会などの情報も全てインターネットからです。さらに庁内LANについてもその整備をスピードアップしていただきたいと思いますが、可能でしょうか。
 
(4)情報公開と個人情報保護
 去る5月7日国会において行政情報公開法が制定されました。情報公開は元々先進自治体がリードしてきたものですが、自治体によってはこれに合わせた条例改正を行おうとしているところもあります。本市の場合はその必要性はないでしょうか。また、審議会、懇談会、各種委員会は原則的に傍聴出来るよう公開、議事録の作成公開、交際費の100%公開など、一層の公開を望みますがいかがでしょうか。
 また、情報公開といつもセットで考えなければならないのが、個人情報の保護の問題です。個人情報の保護は外部へ情報を漏らさないということと、市民が自分の情報がどう扱われているかを知ることが出来る事です。宇治市で住民票データーの流失ということがおきました。これらの管理、また学校における児童、生徒、保護者の名簿管理はどうなっているでしょうか。業者に流れていないでしょうか。これらの扱いについて伺います。
 
(5)審議会・懇談会
 議員は議会という発言の場があるのだから、行政が設置する懇談会、委員会等とは一線を引くべきだということから、昨年から参加を絞っています。同じように行政職員も審議会、懇談会、委員会等には事務局としての参加は別にしても、市民と同じ立場で委員となるのはひかえるべきではないでしょうか。
どうしても議論をリードしてしまうようになります。市民の代表による本当の自由活発な論議はできないのではないかと思っています。そこで現在、市職員だけの会以外で、市職員が委員としてはいっているのはどれくらいありますか。それらから市職員を除いて行く方向についてどう考えますか。お聞きします。
 
5.教育行政について
(1)中学校給食
市長の考えを聞きたい。これまでの流れを整理。あいまいさの残る結論。
 
(2)学校施設
 学校施設の問題は様々ありますが、特にトイレの問題について伺います。
臭くて汚いと学校トイレが使えない子ども、洋式トイレしか使えない子どもの増加などがあります。学校ぎらいになる原因の一つとも言われています。
 学校施設整備における教育委員会の責任範囲を明確にしていただきたいと思います。保護者負担による学校整備が相変わらず行われています。
 さらに西中南棟改築時のエレベーター設置は出来ないでしょうか。ノーマライゼーションの理念を具体化する事にもなります。また、建物の建築に使われる化学物質を含んだ建材などによっておこる、シックハウス症候群と言われるものが問題化されてきています。これらは新築校舎の場合に多いのですが、その対策は大丈夫でしょうか。
 
6.中心市街地活性化問題について
 この問題については基本計画がまとめられご報告もご説明もいただきました。盛りだくさんの内容のようですが、3点だけ伺います。まず、リーガ南の開発に対して市が財政援助、直接投資を行うことはあるのか、ないのか。直接的関与だけではなく、第3セクター、商工会議所、TMOなどへの出資なども含めてお聞きします。また、この地区を活性化計画の範囲にいれたということは、そこに出店する大型店の影響についても市は明確な判断と、意思表示をしておくべきだと考えます。既存商店街への影響のみならず、中小スーパーの廃業などによって、消費者である市民の日常生活、身の回り品の買い物などにも影響を与えます。私は、完全に民間ベースで市場原理に任せるならば、活性化の範囲に入れる必要はないと思っていましたが、どういう意図か改めてお聞きします。
 また、活性化基本計画は、比較的短期、2〜3年を目途に事業化できるものが中心と受けとめていました。しかし、先の計画案はもりだくさんです。これらの計画を短期、中期、長期で整理して示していただきたいと思います。
 
7.廃棄物中間処理施設について
 廃棄物処理施設建設に関しては、ダイオキシン対策などの安全対策が最も重要です。焼却炉については、安全基準の変化や国や自治体の財政難で製造メーカーによる技術とコストの見直しが行われています。これは国が昨年10月ごみ焼却場の国庫補助の対象を、炉の構造ではなく性能を基準とする方針を示した事により、メーカーの側にとっては設計や部品調達の自由度が増し、メーカーによっては従来の2割から3割のコスト削減が図れたと新聞報道にありました。2002年12月からのダイオキシン規制に備えて、今年から来年にかけてが発注のピークとも言われています。現在、計画書を作成中ですが、コストと技術と両面において、後でしまったという事にならないようにして欲しいと思っています。昨年3月議会では、ほぼ同じ能力のいわき市と岡山市で、214億と129億と85億もの差が出たことを紹介もしました。これらの情報を把握し、コンサルタント会社や、メーカー任せにならないように対応できているのか伺います。